競艇では、時折ボートが他よりも先にスタートしてしまったり、反対に出遅れたりすることがあります。
こうした現象を「フライング」または「出遅れ」と呼びますが、レース結果にはどのような影響を及ぼすのかと、疑問が湧く方もいらっしゃると思います。
実は競艇では非常に細かいスタートのルールが存在します。
そのルールに合致しなかった場合、フライング・出遅れは払い戻しの対象となり、予想が全て無駄になってしまいます。
フライングや出遅れについて
フライングとは?
各ボートは、レースで決められた時間から1秒以内にスタートラインを通過する必要があります。
これをフライングスタート方式といいますが、規定の時間よりも先にスタートラインを通過した場合、早すぎると判断され、フライング扱いとなります。
出遅れとは?
一方、規定の時間から1秒以上遅くスタートラインを通過すると、今度は出遅れと扱われます。
出遅れは、文字通り出遅れてしまった場合をいい、フライングとは違ってスタートが遅すぎと判断されます。
つまり競艇は早すぎても遅すぎてもいけないのです。
フライングや出遅れが発生すると舟券はどうなるの?
もし自分の購入した舟券でフライング・出遅れが発生したら、舟券の取り扱いがどうなるか気になるかと思います。
このような時は該当する号艇が欠場扱いとなり、購入代金は全て払い戻しが行われます。
例えば1号艇が出遅れてしまったレースでは、1号艇に関わる舟券が全て無効になり、後ほど返金が行われます。
同時にオッズも再計算され、他の号艇が絡む舟券の払い戻し金も減ってしまいます。
1号艇の売上を差し引いて再計算しないといけませんので、他の舟券にも少なからず影響があります。
反対にいえば、1号艇以外の舟券は返還対象にはなりません。
2~6号艇でレースが成立していますので、予想が外れても救済措置はないことに注意しましょう。
ごくまれにですが、全号艇がフライング・出遅れ扱いとなってしまうケースもあります。
このような場合はレース自体が中止(不成立)となり、全舟券が払い戻し対象となります。
なお、払い戻しを受けるには該当の舟券を窓口へ持っていく必要があります。
捨ててしまうと払い戻しが受けられませんので、外れたと思って捨てないように気をつけましょう。
選手へのペナルティは?
競艇でフライングや出遅れが起こるレースは珍しいですが、こちらの予想が無駄になるばかりか、競艇の運営側も売上減で損失を被ってしまいます。
では、該当の選手はお咎めなしかというと、実はさまざまなペナルティが課せられます。
もしフライング・出遅れが生じた場合、該当の選手には事故点(反則の点数)が加算されます。
さらに事故点を出走回数で割った数値が一定を超えると、降格処分や30・180日のあっせん(出場)停止処分を受けることがあります。
なお、一部のレース(SG格など)ではさらに重いペナルティが課せられます。
また、1回目のフライングや出遅れから100出走以内に2回目を起こすと、該当選手に再訓練が待っているほか、
さらに同一シリーズ内でフライング・出遅れを2回起こした選手は即日帰郷させられるなど、何度も繰り返す選手には非常に重い処分が待っています。
最終的には事実上の引退勧告(180日のあっせん停止)が行われますので、選手にとってのフライングや出遅れは、選手生命にも関わるほどの影響があります。
ただし、フライング・出遅れの回数は毎年5月1日と11月1日にリセットされます。
罰則期間が終わった後に再び活躍する選手も多数いますので、ペナルティ=引退とは限りません。
スタートがうまい選手を中心に予想することが大切
上記のようにフライングや出遅れは選手に大きな処分が課せられます。
こちらとしても予想が無駄になってしまいますので、フライング・出遅れが多い選手は予想から外すべきでしょう。
こうした点を踏まえると、スタートが得意な選手を中心にレース展開を予想することが重要といえます。
安定したスタートができる選手が安定した走りを見せるとは限りませんが、舟券払い戻しの事態は避けやすくなります。
予想が全部無駄になるリスクも減らせるでしょう。
各選手のスタートのうまさを判断する際は、出走表のスタートタイミング(ST)が参考になります。
基本的に数値が低い選手ほどスタートが得意ですので、しっかり確認しておきましょう。
出走表のF・L数も役立ちます。
フライング・出遅れの回数を表しているため、数値が1以上付いている選手は注意しましょう。
ちなみに競艇場の中には【フライング・出遅れ休み未消化選手】を公式サイトに掲載しているところもあります。
例えば、唐津競艇場のフライング・出遅れ休み未消化選手などですね。
まとめ
競艇では、予想外のハプニングが起こる可能性もゼロではありません。
特にフライングや出遅れはいつ起こるか判断が難しいうえ、完璧に予想することは不可能です。
しかし、選手側には重いペナルティが待っていますので、起こる機会はめったにありません。
それでも可能性がゼロではない以上、フライング・出遅れしそうな選手は排して予想を立てるべきです。
出走表に書かれているSTやF・L数を参考に、スタートが得意な選手を見つけ、予想を立てていきましょう。